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【解説】大国主神と生大刀・生弓矢・天の沼琴

大刀・弓矢・琴の組み合わせは、五世紀前半頃に明確となる祭祀遺跡の出土品で多く見ることができる。明ヶ島古墳群五号墳(静岡県)の下層から出土した、五世紀前半頃の土製模造品では、この三種類の組み合わせを確認でき、五世紀後半の祭祀遺跡、山ノ花遺跡(静岡県)からは実用の木製の弓、倭系大刀の柄・鞘、琴が出土している。少なくとも五世紀代には、多くの神祭りの場には、大刀・弓矢・琴は用意されていたと考えられ、それは神宮の神宝へと受け継がれた。神宮の神宝の性格から考えると、これらの品々は神の御料としての性格が推定でき、その伝統は、少なくとも五世紀前半に遡るのである。

大刀・弓矢・琴を持って逃げる大国主神
(古事記学センター蔵『古事記絵伝』より)

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