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天佐具売

読み
あめのさぐめ
ローマ字表記
Amenosagume
別名
-
登場箇所
上・天若日子の派遣
他の文献の登場箇所
天探女(紀九段本書、紀九段一書一)
天探女(摂津風逸・難波高津)
天探女(旧・天神本紀)
梗概
天若日子の地上への派遣に登場する神。高天原から遣わされた鳴女が天若日子に八年間報命しなかった理由を問うた際、天佐具売は天若日子に鳴女を射殺すよう進言した。このことが決定的な事件となり、天若日子は高天原に対する反逆者となった。
諸説
名義は、「天」は天若日子に従って天から降りてきたためにこれを冠し、「佐具」は「探」の語幹のこととして、天上界の、隠密なるものを探り出す女とする説、「佐具売」はサグリメ(探り女)からの転で、探偵役を行う女とする説がある。紀九段本書に「天探女」とあることから「佐具」は「探」の意に取る説が多い。サグメを「逆女」と解する説もあるが、サグメの「グ」について記が「具」、紀が「愚」とともに濁音で表記していることから、これを批判する立場もある。神の性格としては、他の心を探る邪なもの、また敢えて正反対の言葉を述べ反逆を勧める性悪な女と見て、昔話のアマンジャク・アマノザコ(天邪鬼)や山姥と関連付けて解釈したり、神話におけるトリックスターとしての性格を見る向きもある。この神の進言が原因となって天若日子は高天原に対する反逆者となったためである。鳴女の鳴き声を「悪し」と判断し、射殺すべきだと天若日子に述べたことから、鳥の鳴き声などから吉凶を判断する霊能を持った巫女的な存在とする説もある。その所属について天つ神とするか国つ神とするかで意見が分かれる。名に「天」を冠していること、摂津風逸・難波高津に「天稚彦に属て下れる神、天の探女」とあること、万3・二九二に「ひさかたの天の探女が石船の泊てし高津はあせにけるかも」とあることなどから、天降った天つ神と解釈する立場、紀九段一書一には「国神」と書かれていることからこの点にこだわり、国つ神であると解釈する立場がある。天を冠することの意味をどのように考えるかが争点となっていると言える。
参考文献
松村武雄『日本神話の研究』3(培風館、1955年11月)
柳田国男「桃太郎の誕生」(『定本柳田国男全集』8、筑摩書房、1962年1月)
福島千賀子「天佐具売(天探女)考 」(『学校法人佐藤栄学園埼玉短期大学研究紀要 』6、1997年3月)

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