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天之常立神

読み
あめのとこたちのかみ
ローマ字表記
Amenotokotachinokami
別名
-
登場箇所
上・初発の神々
他の文献の登場箇所
天常立尊(紀一段一書六)
天常立尊(旧・神代系記)
梗概
国土が浮漂していた時に成った神。五番目に出現した別天神の一柱で、独神となって身を隠した。
諸説
紀では葦牙のごとき物によって空中に化した神とされる。ただし紀の場合、一段一書六にしか登場しないにもかかわらず別神の誕生を記す類伝が併記されているため、天常立尊には独自性が認められていないと論じる説がある。また「常立」は永久の存立を意味すると言われるが、上代語には永久不変の意味での「常」が動詞を修飾する例がないため「床」(土台、大地)の意で解するべきだと論じる説がある。後者はさらに天下を形作るムスヒ神のエネルギーの展開する場だとも論じられている。この神は別天神を登場させるにあたって国常立神をもとに創作された神だと言われているが、成立・神格ともになお今後の検討に俟つところが多い。
参考文献
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大野晋「記紀の創世神話の構成」(『文学』33巻8号、1965年8月)
福島秋穂「記紀載録神話の冒頭部について」(『文芸と批評』3-8、1972年3月)
井手至「『古事記』冒頭対偶神の性格」(『論集 日本文学・日本語』1号、1978年3月)
金井清一「神世七代の系譜について」(『古典と現代』49号、1981年9月)
中村啓信「神代紀一書をどう見るか―神世七代章をめぐって―」(『國文學 解釈と教材の研究』29巻11号、1984年9月)
神野志隆光「ムスヒのコスモロジー―『古事記』の世界像―」(『古事記の世界観』吉川弘文館、1986年6月)
毛利正守「古事記冒頭の文脈論的解釈」(『美夫君志』38号、1989年3月)
西宮一民「構造論的解釈と文脈論的解釈―冒頭の創世神話を中心として―」(『古事記・日本書紀論集』続群書類従完成会、1989年12月)
斎藤静隆「『日本書紀』神代巻冒頭部の構成」(『國學院雑誌』92巻1号、1991年1月)
寺川真知夫「天神諸と『古事記』冒頭部」(『古事記年報』39号、1997年1月)
尾崎知光「記紀の国初の神譜と別天神」(『説林(愛知県立大)』55号、2007年3月)
北野達「「高天原に成りし神」と「萌え騰れる物に因りて成りし神」」(『山形県立米沢女子短期大学附属生活文化研究所報告』37号、2010年3月)
岸根敏幸「『古事記』神話と『日本書紀』神話の比較研究―特に別天つ神、神世七代、および、国生みをめぐって―」(『福岡大学人文論叢』44巻4号、2013年3月)

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