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阿那臣

読み
あなのおみ
ローマ字表記
Ananoomi
登場箇所
孝昭記
他文献の登場箇所
-
始祖
天押帯日子命
後裔氏族
-
説明
 近江国坂田郡安那郷を本拠地とした氏族。阿那は穴とも書く。『古事記』においては、孝昭天皇の御子である天押帯日子命の後裔16氏族のひとつとして、春日臣らとともに名があげられている。他文献から事績をうかがうことはできないが、平城宮跡出土木簡に「穴臣」の人名が確認でき、千鳥・石弓という氏人が近江国の調雑物である鮒を貢上している。なお『新撰姓氏録』には「安那公」の項目があり、阿那臣と同様に天葦彦国押人命(天押帯日子命)の系譜に連なっている。しかし、この安那公は阿那臣とは別族で、備後国安那郡を本拠地とした氏族と推測されている。『先代旧事本紀』国造本紀には吉備穴国造がワニ臣(=春日臣)と同祖とあり、安那公はこの吉備穴国造の後裔とみられる。ちなみに『日本霊異記』には備後国葦田郡屋穴国郷の人として穴君弟公・秋丸が登場するが、葦田郡は安那郡と近接しており、安那公の勢力は葦田郡にまで及んでいた可能性がある。
参考文献
岸俊男「ワニ氏に関する基礎的考察」(『日本古代政治史研究』塙書房、1966年5月、初出1960年10月)
佐伯有清『新撰姓氏録の研究』考証篇、第2(吉川弘文館、1982年3月)
加藤謙吉「山背・近江とその他の諸国のワニ系諸氏」(『ワニ氏の研究』雄山閣、2013年9月)

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