國學院大学 「古典文化学」事業
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淡道島の寒泉(その2)
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淡道島の寒泉(その2)
読み
あはぢのしまのしみづ/あわじのしまのしみず
ローマ字表記
Awajinoshimanoshimizu
登場箇所
仁徳記・枯野という船
住所
兵庫県南あわじ市松帆櫟田103
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緯度/経度
北緯 34°20'03.0"
東経 134°44'55.2"
説明
仁徳天皇の御代、菟寸河の西には一本の高木があった。この木で造った船を枯野と名づけ、この船を使って朝夕に淡路島の清水を酌み、天皇の飲料水としたとある。淡路島に存在する泉。安寧記にて言及される「淡道の御井宮」との関係を指摘する説がある。伝承地としては兵庫県淡路市佐野小井の「御井の清水」がある。
『日本書紀』反正天皇条即位前紀に、天皇が淡路宮にて生まれた時、瑞井の水を酌んで天皇の産湯としたと見える。この瑞井の伝承地は兵庫県淡路市佐野の「御井の清水」とする説、兵庫県南あわじ市の「産宮神社」の瑞井とする説、「産宮神社」近くに存在する「潮清水」「松本の水」と呼ばれる井戸とする説などがある。安寧記の「淡道の御井宮」、反正天皇条即位前紀の「淡路宮」の瑞井、仁徳記の淡道島の寒泉が同一のものとする説があるが、安寧記・反正天皇即位前紀の「淡道」「淡路」が必ずしも淡路島を指すかどうかは定かではないとする説もある。
『播磨国風土記』逸文に明石の駅家にある駒手の瑞井に関する記事が見えている。仁徳天皇の御代、この瑞井の近くに生えていた楠で作った船を「速鳥」と名づけ、この船を使い朝夕に天皇の御食のための水を運んだという記事であり、仁徳記の枯野の船の物語と類似する。
地図上に示した箇所は兵庫県南あわじ市松帆櫟田の「産宮神社」の瑞井である。
URL
備考
兵庫県編『兵庫県史蹟名勝天然記念物調査報告』第16輯(兵庫県、1942年3月)
坂本太郎・家永三郎・井上光貞・大野晋(校注)『日本書紀 上』(日本古典文学大系、岩波書店、1967年3月)
土橋寛『古代歌謡全注釈 古事記編』(角川書店、1972年1月)
本居宣長『古事記伝』三十七之巻(大野晋編『本居宣長全集』第12巻、1974年3月)
仲野安雄『重修 淡路常磐草(全)』(名著出版、1974年11月)
三原郡史編纂委員会編『三原郡史』(三原郡町村会事務所、1979年3月)
小島憲之・直木孝次郎・西宮一民・蔵中進・毛利正守(校注・訳)『日本書紀(2)』(新編日本古典文学全集、小学館、1996年10月)
平凡社地方資料センター編『兵庫県の地名』1(『日本地名大系』平凡社、1999年10月)
暁鐘成『淡路国名所図会』(長谷章久『日本名所風俗図会』13、1980年)
淡道島の寒泉(その1)
淡道之穂之狭別島(淡道島)
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