國學院大学 「古典文化学」事業
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木戸(その1)
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木戸(その1)
読み
きど
ローマ字表記
Kido
登場箇所
垂仁記・本牟智和気の御子
住所
奈良県五條市~和歌山県伊都郡
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緯度/経度
北緯 34°19'50.7"
東経 135°39'50.3"
説明
本牟智和気御子が曙立王・菟上王を伴い出雲へ赴く際、倭(大和国)からの出入口の中で唯一縁起がよいと占われた道程。「木」は「木国(紀伊国)」、「戸」は「入口」を指し、倭から真土山(奈良県五條市)を越えて木国に到る道の戸口と解されている。『万葉集』において真土山は、倭から木国へ到る道の中で両国の境界地として歌われている(4・543、9・1680など)。現在では奈良県五條市から真土山を越えて和歌山県伊都郡に到る道筋を指すとする解釈が一般的である。
『古事記』において木戸は「掖月(わきづき)の吉き戸」と表されている。「…夕とには い倚り立たす 脇机(わきづき)が下の…」(記103番歌)から「掖月」を脇息(肘をのせて身をもたせかける座具)の意と解し、肘をもたせかけて気持ちがよいことから「吉き」の枕詞として解されている。一方、「掖月」を「掖戸」の誤りとする説もあり、西国に下る際、脇の方に廻って行く道であるとも論じられる。また、「掖月」を脇机と解した上で、本机に対する脇机のように正面の道ではなく脇へ曲がる道であると説き、廻り道でしかも縁起のよい出入口の意というように解釈する説もある。
本地名は奈良県から和歌山県という広範囲にわたる道程を指すため、今仮に「木戸」の出発点とされる奈良県五條市に存在する真土山を詠んだ万葉歌碑(4・543)を比定地とした。「木戸」の終着点の比定地については「木戸(その2)」の項を参照。
URL
備考
本居宣長『古事記伝』25(『本居宣長全集 第11巻』筑摩書房、1969年3月)
西宮一民(校注)『古事記(新潮日本古典集成)』(新潮社、1979年6月)
倉野憲司『古事記全註釈 第六巻 中巻篇(下)』(三省堂、1979年11月)
西郷信綱『古事記注釈 第五巻(ちくま学芸文庫)』(筑摩書房、2005年12月、初出1988年8月)
角川文化振興財団(編)『古代地名大辞典』(角川書店、1999年3月)
加藤謙吉・関和彦・遠山美都男・仁藤敦史・前之園亮一(編)『日本古代史地名事典』(雄山閣、2007年10月)
訶和羅前
久士布流多気(その1)
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