氏族データベース
依網之阿毘古
- 読み
- よさみのあびこ
- ローマ字表記
- Yosaminoabiko
- 登場箇所
- 開化記
- 他文献の登場箇所
- 紀 神功摂政前紀・仲哀9年秋9月己卯(10日)条
仁徳43年秋9月庚子朔条
続紀 天平18年(746)閏九月戊子(10日)条
天平勝宝2年(750)8月辛未(16日)条
姓 摂津国皇別
- 始祖
- 建豊波豆羅和気王
彦坐命(姓)
- 後裔氏族
- 依羅宿禰
- 説明
- 摂津国住吉郡大羅郷や河内国多比郡依羅郷を本拠地とする氏族。依網は依羅とも書く。天平勝宝2年(750)に宿禰姓を賜った。『古事記』には、開化天皇の御子である建豊波豆羅和気王の後裔氏族として名がみえる。『新撰姓氏録』には彦坐命を始祖とする依羅宿禰がおり、依網之阿毘古の後裔氏族と目されている(彦坐命も開化天皇の御子である)。『日本書紀』や『住吉大社神代記』の伝承によれば、神功皇后の新羅征討に際して、その援助を約した住吉大神を依網吾彦男垂見に祭らせている。また『日本書紀』には、依網屯倉の阿弭古が異鳥(鷹)を献上した記事があり、この阿弭古は依網屯倉に置かれた官職であったと指摘されている。なお『万葉集』には、柿本人麻呂の妻として依羅娘子の名がみえるが、同じく依羅を称する氏族として物部系や百済系の依羅連がいるため、娘子が依網之阿毘古の出身であったかは不明である。
- 参考文献
- 直木孝次郎「阿比古考」(『日本古代国家の構造』青木書店、1958年11月、初出1956年9月)
佐伯有清『新撰姓氏録の研究』考証篇、第2(吉川弘文館、1982年3月)
先頭