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女島

読み
をみなしま/おみなしま
ローマ字表記
Ominashima
登場箇所
上巻・国生み神生み
住所
大分県東国東郡姫島村5118番地 地図を表示
緯度/経度
北緯 33°44'06.8"
東経 131°41'01.0"
説明
 別名を天一根という。読みは普通には「ひめしま」と読まれることが多い。
 女島は今の大分県国東半島の東北沖にある姫島に比定される。姫島は、瀬戸内海西端、周防灘にある孤島で、瀬戸内海・豊後水道・関門海峡の各所から海上交通の目標となる。
 この島にまつわる伝承として、『日本書紀』垂仁天皇二年是歳条に、朝鮮半島の意富加羅国の王子、都怒我阿羅斯等(つぬがあらしと)が得た白玉が美麗な童女になったが、東方に去って、日本の難波に来て比売語曾社の神となり、また豊国の国前郡(後の豊後国国埼郡)に至り比売語曾社の神となって両社で祭られるようになったとある。一方、『摂津国風土記』逸文では、応神天皇の治世に新羅国の女神が夫から逃げて筑紫国の伊波比乃比売島にしばらく住み、その後、摂津国に落ち着いたため、その地に、元いた所にちなむ比売島という地名がついたと伝えている。
 現在、大分県東国東郡姫島村に比売語曾社が鎮座する。姫大明神とも呼ばれ、女島(姫島)という島名も、この神社にちなむと言われる。なお、摂津国の比売島は『古事記』では仁徳天皇条に「日女島」として見えており、その神社は摂津国東生郡の比売許曾神社(『延喜式』神名帳)に当たる。
URL
備考
本居宣長『古事記伝』5(『本居宣長全集 第9巻』筑摩書房、1968年7月)
倉野憲司『古事記全註釈 第二巻 上巻篇(上)』(三省堂、1974年8月)
西郷信綱『古事記注釈 第一巻(ちくま学芸文庫)』(筑摩書房、2005年4月、初出1975年1月)
『古事記(新潮日本古典集成)』(西宮一民校注、新潮社、1979年6月)
『古事記(日本思想大系)』(青木和夫・石母田正・小林芳規・佐伯有清校注、岩波書店、1982年2月)
角川文化振興財団(編)『古代地名大辞典』(角川書店、1999年3月)
姫島村史編纂委員会(編)『姫島村史』(姫島村史編纂委員会、1986年5月)

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