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志幾

読み
しき
ローマ字表記
Shiki
登場箇所
景行記・八尋の白千鳥
住所
大阪府藤井寺市惣社 地図を表示
緯度/経度
北緯 34°34'34.7"
東経 135°37'06.2"
説明
 倭建命が伊勢の能煩野で亡くなると、八尋の白ち鳥と化して飛び翔り、一度、河内国の志幾に留まった。そこに御陵を作ったので、そこを白鳥御陵と称する、という。
「志幾」は『和名類聚抄』の志紀郡に当たり、比定地の正確な範囲は定かでないが、現在の八尾・藤井寺・柏原の各市の一部をまたがるあたりに相当すると考えられている。
 大化前代には志紀県主が置かれ、『古事記』雄略天皇条には「志幾之大県主」登場する。河内国府も当郡に所在し、古来の政治的中心地であった。『延喜式』神名帳に「志紀県主神社」が見える。
『日本書紀』には、白鳥となって能褒野、倭の琴弾原、河内の旧市邑に留まり、それぞれの地に陵が作られ、その三陵を白鳥陵という、とある。河内に作られた陵の所在が志幾ではなく「旧市邑」になっているが、志紀郡に古市郡(≒旧市邑)が隣接することから、古くは志紀郡の内に含まれたとする見方や、両郡がともに志紀県に所属していたとする説もあり、『古事記』の志幾の白鳥御陵と同一視される。現在、旧市邑の白鳥陵は、大阪府羽曳野市軽里の前の山古墳が治定されている(明治13年(1880))。所掲の地図には、前の山古墳を示した。
URL
備考
本居宣長『古事記伝』41(『本居宣長全集 第12巻』筑摩書房、1974年3月)
「角川日本地名大辞典」編纂委員会(編)『角川日本地名大辞典 27 大阪府』(角川書店、1983年10月)
水野正好ほか『「天皇陵」総覧』(新人物往来社、1994年4月)
角川文化振興財団(編)『古代地名大辞典』(角川書店、1999年3月)
加藤謙吉・関和彦・遠山美都男・仁藤敦史・前之園亮一(編)『日本古代史地名事典』(雄山閣、2007年10月)

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