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尾張丹波臣

読み
をはりのにはのおみ/おわりのにわのおみ
ローマ字表記
Owarinoniwanoomi
登場箇所
神武記・当芸志美々命の反逆
他文献の登場箇所
紀   大化2年(646)3月辛巳(19日)条
続紀  天平勝宝元年(749)4月辛亥(18日)条
始祖
神八井耳命
大荒田命(阿蘇家略系譜)
後裔氏族
-
説明
 尾張国丹羽郡丹羽郷を本拠地とした氏族。丹波は丹羽・爾波とも書く。『古事記』では、神八井耳命(綏靖天皇の兄)の後裔氏族として、意富臣ら18氏族とともに掲げられている。『阿蘇家略系譜』は大荒田命(神八井耳命の九世孫)を祖とし、やはり神八井耳命の後裔氏族を称する島田臣らと同族関係にあったとするが、同系図は明治26年(1893)以降に書写されたものであるから、取り扱いには慎重を要する。『先代旧事本紀』天孫本紀にも「邇波県君の祖の大荒田」とあり、娘の玉姫が建稲種命(饒速日尊の12世孫、尾張連の祖である天香語山命の11世孫)に嫁いでいるように、大荒田命は丹羽郡と関係の深い神であったらしい。丹波臣の具体的な活動はほとんど不明であり、史料上からは大化2年(646)に東国国司のひとりとして名が挙げられ、拙いながらも過失なく勤めたと評価された丹波臣(名は不詳)、天平17年(745)に従六位下行主殿大属(『正倉院文書』)で、天平勝宝元年(749)に正六位上から外従五位下に叙された真咋が確認できる程度である。
参考文献
田中卓「古代阿蘇氏の一考察」(『日本国家の成立と諸氏族』田中卓著作集2、1986年10月、初出1960年12月)
村崎真智子「異本阿蘇氏系図試論」(劉茂源『ヒト・モノ・コトバの人類学』國分直一博士米寿記念論文集、慶友社、1996年6月)

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