大国主神と生大刀・生弓矢・天の沼琴 – 國學院大學古典文化学事業

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【解説】大国主神と生大刀・生弓矢・天の沼琴

大刀・弓矢・琴の組み合わせは、五世紀前半頃に明確となる祭祀遺跡の出土品で多く見ることができる。明ヶ島古墳群五号墳（静岡県）の下層から出土した、五世紀前半頃の土製模造品では、この三種類の組み合わせを確認でき、五世紀後半の祭祀遺跡、山ノ花遺跡（静岡県）からは実用の木製の弓、倭系大刀の柄・鞘、琴が出土している。少なくとも五世紀代には、多くの神祭りの場には、大刀・弓矢・琴は用意されていたと考えられ、それは神宮の神宝へと受け継がれた。神宮の神宝の性格から考えると、これらの品々は神の御料としての性格が推定でき、その伝統は、少なくとも五世紀前半に遡るのである。

大刀・弓矢・琴を持って逃げる大国主神
（古事記学センター蔵『古事記絵伝』より）

器物データベース凡例

1. データベースの目的

本データベースは、國學院大學博物館企画展「モノで読む古事記」（会期：2020年7月16日～10月31日）の展示内容をもとに、『古事記』に登場する器物について対応する、もしくは関わりが深いと考えられる考古資料の写真と解説をウェブ上で閲覧できるようにしたものである。『古事記』の器物と具体的な考古資料との関わりは今後の研究に俟つ点が多く、本データベースで示す対応はあくまで一案に過ぎないが、『古事記』の世界をより深く理解するための一助となれば幸いである。多くの人々に本データベースが活用されることで『古事記』に対する興味関心が高まるとともに、その研究が一層活発なものとなることを願ってやまない。なお作成にあたっては國學院大學博物館を始めとした関係各所の多大な協力を得た。ここに記して謝意を表す。

2. 凡例

一、本データベースは『古事記』に登場する器物について、対応するもしくは関わりが深いと考えられる考古資料の写真と解説をウェブ上で閲覧できるようにしたものである。『古事記』の器物と具体的な考古資料との関わりは今後の研究に俟つ点が多く、本データベースで示す対応はあくまで一案に過ぎないことを了解のうえご利用頂きたい。
一、データベースで用いた写真は國學院大學博物館所蔵の考古資料を本データベースのために撮り下ろしたものである。一部の器物は360°回転させることができる写真で示した。展示では実際に触れることが難しい考古資料を手に取って眺めるような感覚を味わって頂ければ幸いである。
一、データベースには、『古事記』に記載された内容と考古資料とを結ぶ【解説】と、各資料についての【資料解説】を掲載した。【解説】は笹生衛（國學院大學神道文化学部教授／國學院大學博物館長／古事記学センターグループⅠ②グループリーダー）、【資料解説】は深澤太郎（國學院大學研究開発推進機構准教授）が執筆した。

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