國學院大学 「古典文化学」事業
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御井神
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御井神
読み
みゐのかみ/みいのかみ
ローマ字表記
Miinokami
別名
木俣神
登場箇所
上・根の堅州国訪問
他の文献の登場箇所
旧 御井神(地祇本紀)
神名式 御井神社(大和国宇陀郡、美濃国多芸郡、美濃国各務郡、但馬国養父郡、但馬国気多郡、出雲国秋鹿郡、出雲国出雲郡)
梗概
大国主神と八上比売との間に生まれた木俣神の別名。
諸説
御井神は、井泉の神である。古来、水を汲むためのヰ(井)には、自然の流水・湧き水をせき止めたものや、地面を掘って汲み上げるようにしたものがあり、飲料や灌漑のため、生活の重要な拠点であったとされる。『延喜式』神名帳には「御井神社」という神社が各所にみられ、井の神は宮中でも、座摩の巫の祭る神五座のうちに生井神・福井神・綱長井神が祭られている。井戸が古来、神聖視されていたことが知られ、「御井」の「御」はそうした神聖さを讃えた語と考えられている。
木俣神という樹木の神が、なぜ井泉の神としての別名を持つのかについては、樹木が地下水を吸い上げて成長することによる結びつきとする見方がある。また、井泉のそばに樹木が生えていたり植えられることが多くあり、その形が二俣の場合があったことに由来すると捉える説もある。詳しくは「木俣神」の項も参照されたい。
参考文献
西郷信綱『古事記注釈 第三巻(ちくま学芸文庫)』(筑摩書房、2005年8月、初出1976年4月)
倉野憲司『古事記全註釈 第三巻 上巻篇(中)』(三省堂、1976年6月)
『古事記(新潮日本古典集成)』(西宮一民校注、新潮社、1979年6月)
菅野雅雄「上巻記載の「亦名」」(『菅野雅雄著作集 第一巻 古事記論叢1 系譜』おうふう、2004年1月、初出1969年7月)
服部旦「木俣神と御井神」(『同時代』黒の会31、1976年)
上田設夫「八上比売と御井神―稲羽の素菟覚書―」(『古事記年報』21、1979年1月)
美呂浪神
八上比売
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