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大戸比売神

読み
おほへひめのかみ/おおへひめのかみ
ローマ字表記
Ōhehimenokami
別名
奥津比売命
登場箇所
上・大年神の系譜
他の文献の登場箇所
-
梗概
 奥津比売命の別名。人々が崇拝する竈の神である(「此は、諸人が以ち拝む竃の神ぞ」)という。
諸説
 竈(かまど)の神であり、神名オホヘヒメの「ヘ」は、竈の意とされる。
 神名の「大」は美称とされる。ヘは、『色葉字類抄』に「竈神 ヘツヒ」とあるように、竈のこととされ、カナヘ(鼎、釜)、ナベなどのヘと同源といわれている(「戸」は借字)。五世紀頃に朝鮮半島からもたらされた外来の竈をカマと呼ぶのに対して、日本在来の竈を指すとする説もある。ヘ(ヘ乙類)を火(ヒ乙類)の音韻交替と考えて、火の神としての神格が含まれていると捉える説もある。
 詳しくは「奥津比売命」の項も参照されたい。
参考文献
倉野憲司『古事記全註釈 第三巻 上巻篇(中)』(三省堂、1976年6月)西郷信綱『古事記注釈 第三巻(ちくま学芸文庫)』(筑摩書房、2005年8月、初出1976年4月)
『古事記(新潮日本古典集成)』(西宮一民校注、新潮社、1979年6月)
松前健「古代宮廷竈神考」(『松前健著作集 第12巻 古代信仰と民俗』おうふう、1998年9月、初出1973年4月)
松前健「文献にあらわれた火の儀礼」(『松前健著作集 第12巻 古代信仰と民俗』おうふう、1998年9月、初出1974年12月)
狩野敏次『ものと人間の文化史117・かまど』(法政大学出版局、2004年1月)
荒井秀規「竈神と墨書土器」(『古代の信仰と社会』六一書房、2006年10月)
桐原健「竈神祭祀について」(『博古研究』54号、2017年10月)

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