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狭依毘売命

読み
さよりびめのみこと
ローマ字表記
Sayoribimenomikoto
別名
市寸島比売命
登場箇所
上・うけい
他の文献の登場箇所
旧 佐依姫命(地祇本紀)
梗概
 市寸島比売命の別名。天照大御神と須佐之男命とのうけい(誓約)において、天照大御神によって須佐之男命の身につけていた十拳剣から生まれ、須佐之男命の子となった三女神(多紀理毘売命・市寸島比売命・多岐都比売命)の第二。胸形の中津宮に鎮座する。
諸説
 筑前国宗像郡(福岡県宗像市)の宗像神社(宗像大社)に祭られる三女神の一柱、市寸島比売命の別名。三女神の神名と鎮座地は、記紀の間に異同があるが、『日本書紀』には、この別名は見られない。
 神名について、サは接頭語とされる。ヨリは神霊の依り憑く意ととり、その神格を巫女と捉える説や、船の寄る意ととり、船舶の寄港する所を掌る女神と捉える説がある。
参考文献
西郷信綱『古事記注釈 第二巻(ちくま学芸文庫)』(筑摩書房、2005年6月、初出1975年1月)
倉野憲司『古事記全註釈 第三巻 上巻篇(中)』(三省堂、1976年6月)
『古事記(新潮日本古典集成)』(西宮一民校注、新潮社、1979年6月)
『宗像神社史』(宗像神社復興期成会編、宗像神社復興期成会、1961年6月)
戸谷高明「日本神話における宗像三女神」(『古事記の表現論的研究』新典社、2000年3月、初出1976年11月)
水野祐「出雲大神と宗像神」(『出雲學論攷』出雲大社、1977年1月)
正木喜三郎「宗像三女神と記紀神話」(『古代・中世 宗像の歴史と伝承』岩田書院、2004年9月、初出1988年8月)
森昌文「胸形三女神」(『古事記の神々 上 古事記研究大系5-Ⅰ』高科書店、1998年6月)
亀井輝一郎「沖ノ島と宗像神・宗像神主―宗像覚書―」(『福岡教育大学紀要(第二分冊社会科編)』59、2010年5月)

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