國學院大学 「古典文化学」事業
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志那都比古神
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志那都比古神
読み
しなつひこのかみ
ローマ字表記
Shinatsuhikonokami
別名
-
登場箇所
上・国生み神生み
他の文献の登場箇所
紀 級長戸辺命(五段一書六)/級長津彦命(五段一書六)
旧 級長津彦命(陰陽本紀)/級長戸辺神(陰陽本紀)
梗概
伊耶那岐・伊耶那美二神の神生みによって、木の神・山の神・野の神と共に生まれた風の神。
諸説
『日本書紀』一書六では、伊弉諾尊の吹き払った息が風神、級長戸辺(しなとべ)命となり、その別名を級長津彦(しなつひこ)命としている。「級長津彦」の方はヒコとあるので、『古事記』と同じく男神であるが、「級長戸辺」のベは女性を意味する語と解されるので、女神と考えられる。
シナツのシは、ニシ・ヒムカシ・アラシなどに同じく、風を意味する言葉と考えられる。『日本書紀』の「級長津彦命」の表記を参考に、ナを長いの意と捉え、シナを風の長いことの意とする説がある。ツは助詞で、ヒコは男性の意とされる。また、シナツをシナト(風な処)と考え、風の吹き起こる処と解する説もある。シナトは、六月晦大祓祝詞に「科戸の風の天の八重雲を吹き放つ事の如く」とある。トは、単なる場所の意ではなく、入口のすぼまって奥行きに広がりのある場所を指すとする見方もあり、シナトを風の吹き起こる大元の戸口と解する説もある。
参考文献
山田孝雄『古事記上巻講義 一』(志波彦神社・塩釜神社古事記研究会編、1940年2月)
倉野憲司『古事記全註釈 第二巻 上巻篇(上)』(三省堂、1974年8月)
西郷信綱『古事記注釈 第一巻(ちくま学芸文庫)』(筑摩書房、2005年4月、初出1975年1月)
『古事記(新潮日本古典集成)』(西宮一民校注、新潮社、1979年6月)
西宮一民「上代一音節語の研究―「門」の場合―」(『皇学館大学紀要』11、1972年10月)
青木紀元『祝詞全評釈』(右文書院、2000年6月)
『古典基礎語辞典』(大野晋編、角川学芸出版、2011年10月)
下光比売命
塩椎神
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