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伊都之尾羽張

読み
いつのをはばり
ローマ字表記
Itsunoohabari
別名
天之尾羽張
伊都之尾羽張神
天尾羽張神
登場箇所
上・伊耶那美命の死
上・建御雷神の派遣
他の文献の登場箇所
紀 稜威雄走神(九段本書)
旧 天尾羽張神(陰陽本紀)/稜威雄走神(陰陽本紀、天神本紀)/稜威尾羽張神(天神本紀)
梗概
 伊耶那美神が火の神を産んで神避りした際、伊耶那岐神が火の神を斬り殺した刀剣、天之尾羽張の別名。
諸説
 神名の意義について、「尾羽張」は、字義の通り、鳥の尾の羽のように薄くぴんと張った刃を指すとする説があるが、考古学的にそういった形状の剣は遺物として見出されないという指摘もある。また、借字とみて、「尾」を雄々しい、「羽」を刀の刃と解し、刃の張りの鋭いことの意とする説や、大蛇をハハと言うことから(古語拾遺)、雄々しい大蛇の刀の意とする説などがある。「伊都」は、『日本書紀』での神名「稜威雄走神」の「稜威」の字の意で、霊威の盛んな意や、威勢のある意などと解される。
 詳しい事跡や神格については、「天之尾羽張」の項を参照されたい。
参考文献
倉野憲司『古事記全註釈 第二巻 上巻篇(上)』(三省堂、1974年8月)
西郷信綱『古事記注釈 第一巻(ちくま学芸文庫)』(筑摩書房、2005年4月、初出1975年1月)
西郷信綱『古事記注釈 第三巻(ちくま学芸文庫)』(筑摩書房、2005年8月、初出1976年4月)
倉野憲司『古事記全註釈 第四巻 上巻篇(下)』(三省堂、1977年2月)
『古事記(新潮日本古典集成)』(西宮一民校注、新潮社、1979年6月)
菅野雅雄「上巻記載の「亦名」」(『菅野雅雄著作集 第一巻 古事記論叢1 系譜』おうふう、2004年1月、初出1969年7月)
中村啓信「建御雷之男神をめぐって」(『古事記の本性』おうふう、2000年1月、初出1998年1月)

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