國學院大学 「古典文化学」事業
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地名データベース
日女島
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日女島
読み
ひめしま
ローマ字表記
Himeshima
登場箇所
仁徳記・雁の卵
住所
大阪府大阪市西淀川区姫島
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緯度/経度
北緯 34°42'15.7"
東経 135°27'11.5"
説明
仁徳天皇が饗宴のために日女島に行幸したところ、島で雁が卵を産んだので、天皇と建内宿禰命が、そのことを詠んだ歌を贈答した。
日女島は、いわゆる難波八十島の一つで、現在の大阪府大阪市西淀川区姫島あたりに比定されている。近世には「稗島(ひえじま)村」と称したが、当地に姫嶋神社が鎮座することなどから、古代の「姫島」の転訛と解され、近代に地名も「姫島(ひめじま)」となった。
日女島にまつわる伝承として、『日本書紀』垂仁天皇二年是歳条に、朝鮮半島の意富加羅国の王子、都怒我阿羅斯等(つぬがあらしと)が得た白玉が美麗な童女になったが、東方に去り、日本の難波に来て比売語曾社の神となり、また豊国の国前郡(後の豊後国国埼郡)に至り比売語曾社の神となって両社で祭られるようになったとある。一方、『摂津国風土記』逸文では、応神天皇の治世に新羅国の女神が夫から逃げて筑紫国の伊波比乃比売島にしばらく住み、その後、摂津国に落ち着いたため、その地に、元いた所にちなむ比売島という地名がついたと伝えている。『古事記』の応神天皇条にも、日女島という地名は出ていないが同様の話が見えている。難波の比売語曾社は、摂津国東生郡の比売許曾神社(『延喜式』神名帳)に当たる。
『日本書紀』安閑天皇二年九月十三日条には、牛を難波の「大隅島」と「媛島松原」に放たせたとあって、その後の『続日本紀』霊亀二年(716)二月二日条には、大隅・媛島の牧をやめて、百姓の佃食をゆるしたとある。この間に放牧地として利用されていたことがうかがわれる。「姫島の松原」という呼称は『万葉集』にも見えている(2・228)。
また、『日本書紀』敏達天皇十二年是歳条に見える「弥売島」に、「蓋し姫島なり」という注記があり、これも同地を指すと考えられている。
URL
備考
本居宣長『古事記伝』37(『本居宣長全集 第12巻』筑摩書房、1974年3月)
「角川日本地名大辞典」編纂委員会(編)『角川日本地名大辞典 27 大阪府』(角川書店、1983年10月)
平凡社地方資料センター(編)『日本歴史地名大系 第28巻 大阪府の地名』Ⅰ・Ⅱ(平凡社、1986年2月)
新修大坂市史編纂委員会(編)『新修大阪市史 第1巻』(大坂市、1988年3月)
角川文化振興財団(編)『古代地名大辞典』(角川書店、1999年3月)
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