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伊服岐能山

読み
いふきのやま
ローマ字表記
Ifukinoyama
登場箇所
景行記・美夜受比売
住所
滋賀県米原市上野 地図を表示
緯度/経度
北緯 35°25'05.5"N
東経 136°24'18.7"E
説明
 近江国と美濃国との堺(滋賀・岐阜県境)にある伊吹山地の主峰、伊吹山に当たる。景行天皇の皇子・倭建命が山の神の征伐のために登ったが、神の降らせた大氷雨(雹、霰)に苦しめられた。『日本書紀』では「胆吹山」と書く。
 古来、気候の猛烈なことで知られる(『藤氏家伝』など)。山名は「息吹」の意で山の気象の荒さを表した名と解され、山の風を山神の吐く息として捉えた呼び名かと言われる。
 近江国・美濃国それぞれの山麓には、伊夫伎神社(近江国坂田郡。現・滋賀県米原市伊吹)、伊富岐神社(美濃国不破郡。現・岐阜県不破郡垂井町伊吹)がそれぞれ鎮座する(『延喜式』神名帳)。平安時代初期には、美濃国の伊富岐神社が官社となって(『日本文徳天皇実録』仁寿二年(852)十二月二日条)、以来、両社とも度々叙位が行われており、信仰の篤かったことが知られる。
 また、修験道の霊山としても信仰を集め、七高山の一つに数えられた(『日本三代実録』元慶二年(878)二月十三日条など)。
URL
備考
本居宣長『古事記伝』29(『本居宣長全集 第11巻』筑摩書房、1969年3月)
「角川日本地名大辞典」編纂委員会(編)『角川日本地名大辞典 25 滋賀県』(角川書店、1979年4月)
式内社研究会(編)『式内社調査報告 第十二巻 東山道1』(皇学館大学出版部、1981年2月)
青木和夫・石母田正・小林芳規・佐伯有清(校注)『古事記』(日本思想大系、岩波書店、1982年2月)
式内社研究会(編)『式内社調査報告 第十三巻 東山道2』(皇学館大学出版部、1986年2月)
平凡社地方資料センター(編)『岐阜県の地名』(日本歴史地名大系21、平凡社、1989年7月)
平凡社地方資料センター(編)『滋賀県の地名』(日本歴史地名大系25、平凡社、1991年2月)
角川文化振興財団(編)『古代地名大辞典』(角川書店、1999年3月)
虎尾俊哉『延喜式 上』(訳注日本史料、集英社、2000年5月)

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