國學院大学 「古典文化学」事業
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伊豆能売
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伊豆能売
読み
いづのめ/いずのめ
ローマ字表記
Izunome
別名
-
登場箇所
上・みそぎ
他の文献の登場箇所
旧 伊豆能売神(陰陽本紀)
神名式 神魂伊豆乃売神社(出雲国出雲郡)
梗概
伊耶那岐神の禊において、穢れによって生まれた二神に続いて、その禍を直そうとして成った三神(神直毘神・大直毘神・伊豆能売)の第三。
諸説
『日本書紀』にはこの神は見えない。禍を直す神として、神直毘神・大直毘神と並列されているが、他の二神とは神名の構成が異なるのが不審とされる。
名義は、「伊豆」を、威いのあることや神聖・清浄なことを意味するイツ(厳)の意とする説があるが、その場合のイツは一般に清音であるから疑問とする意見もある。「能」は助詞で、「売」は女の意とされる。その名を、厳しく清浄な女の意ととって、禊をするときに必要な神祭りをする巫女と解する説や、汚れをすすぎ清める女神と解する説がある。神名に「神」という称が付かないのは、もと神を祭る巫女であったためで、後に自身が神として祭られるようになったものと解する説がある。一方、写本の中には「神」の字を補ったものもあり、「伊豆能売神」を元来の形と見る説もある。
また、宮中神祇官西院に坐す御巫祭神八座の中の大宮売神と同神と解する説がある。大殿祭の祝詞においては、神直日命・大直日命と共に、大宮売命の名が挙げられ、「言直し和し」という働きが称えられている。
『延喜式』神名帳・出雲国出雲郡「伊努神社」中に、「神魂伊豆乃売神社」が見える。また、伊豆乃売が祭られている神社として、陸奥国牡鹿郡「鳥屋神社」に比定される一社の鳥屋崎神社(福島県石巻市)や、伊勢国安濃郡「加良比乃神社」(三重県津市)があり、その鎮座の由緒は、それぞれの社伝によると、前者は仁徳朝、後者は垂仁朝のことと伝えられている。
参考文献
倉野憲司『古事記全註釈 第二巻 上巻篇(上)』(三省堂、1974年8月)
西郷信綱『古事記注釈 第一巻(ちくま学芸文庫)』(筑摩書房、2005年4月、初出1975年1月)
『古事記(新潮日本古典集成)』(西宮一民校注、新潮社、1979年6月)
『古事記(日本思想大系)』(青木和夫・石母田正・小林芳規・佐伯有清校注、岩波書店、1982年2月)
神野志隆光・山口佳紀「『古事記』注解の試み(七)―伊耶那岐命の禊祓―」(『論集上代文学 第二十一冊』笠間書院、1996年2月)
松村武雄『日本神話の研究 第二巻』(培風館、1955年1月)
『式内社調査報告書 第七巻 東海道2』(式内社研究会編、皇学館大学出版部、1977年3月)
『式内社調査報告書 第十四巻 東山道3』(式内社研究会編、皇学館大学出版部、1986年2月)
『式内社調査報告書 第二十巻 山陰道3』(式内社研究会編、皇学館大学出版部、1983年2月)
奈良泰秀「伊豆能売―近代に復活した謎の埋没神―」(『歴史読本』56巻11号、2011年11月)
伊豆志袁登売神
出雲大神
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