江戸時代中期の国学者・賀茂真淵による『万葉新採百首解』(京坂二書肆版)の翻刻テキスト。
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(第二二首) 巻之十 詠《レ》月ヲ 白露乎、玉作有、九月、在明之月夜、雖見不飽可聞(二二二九) しらつゆを、たまになしたる、なかづ(ママ)きの、ありあけのつきよみれどあかぬかも
長月の有明ごろの月は、ことに極めてすみ行ば、草木の露をもまことに 玉となせる影にぞ有ける○九月をなが月てふことは、拾遺集に夜を〔二〇オ〕 長月とよめるにしるべきにや、外に思ひえず○有あり明あけの月とは十六夜 よりは、明日までに月の猶あればいふのみ