江戸時代中期の国学者・賀茂真淵による『万葉新採百首解』(京坂二書肆版)の翻刻テキスト。
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(第四三首) 巻之十五 天平元年六月、立て新羅へ行使人の、秋の頃筑紫に至り て海辺の月を望て詠るが中に 由布佐礼婆、安伎可是左牟思、和伎母故我、等岐安良比其〔三五オ〕 奴、由伎天波也伎牟(三六六六) ゆふされば、あきかぜさむし、わぎもこが、ときあらひぎぬ、ゆきてはやきん
前の歌に似て、是も実に旅の情なり、且こは今新羅へ向ひ行ほどなれ ば、いつかはやく京に帰りて、妹か解あらひ衣をきばやと思ふまゝに 読り○ゆふされば、夕へなればの意なり、さをすみ、はを濁りて唱フべ し集中になの清音婆の濁音を書り○わぎもこは、吾妹子也、賀伊 の反芸なればつゞめて云り、且きを濁り○ときあらひ衣とはあかつ ける衣はぬひめを解てあらふもの故に云り集中解衣のみたれとも読り こゝは故郷の妻の古き衣の洗ひうちなとして帰るを待らんを思ふ心も自ら有