江戸時代中期の国学者・賀茂真淵による『万葉新採百首解』(京坂二書肆版)の翻刻テキスト。
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(第五四首) 巻之九 石川大夫、遷-《二》仕上《レ》京《一》時播磨娘子贈ル歌【二首の中】 君無者、何身将装飾、匣有、黄楊之小櫛毛、将取跡不念(一七七七) きみなくば、なぞみかざらんくしげなる、つげのをくしも、とらんともはず〔四四ウ〕
石川の大夫と名を挙ざれば定かにしりがたし、又是勅撰ならば名を こそかゝめ家、集などの歌なるべし、且娘子は播磨の任の時あへる女成べし 毛詩小雅に、自《二》衵之東《一》首好《二》飛蓬《一》豈無《二》膏休《一》誰ヲ適為《レ》客トと云る似たり、是 をうつしたるか、自ラ似たるか○くしげなるとは、櫛筐に有なり、とらんと思は じを略してよむも例なり