江戸時代中期の国学者・賀茂真淵による『万葉新採百首解』(京坂二書肆版)の翻刻テキスト。
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皇居 (第八四首) 巻之三 大宰少弐小野ノ老ノ朝臣ノ歌 青丹吉、寧楽乃京師者、咲花乃、薫如、今盛有(三二八) あをによし、ならのみやこは、さくはなの、にほふがごとく、いまさかりなる
此人大宰大弐とは続日本紀にあり、少弐成しことは見えず〔六五ウ〕 いづこのみやこはあれど、奈良の都のさかりなる時、これ実に春のはな の盛に譬へつべくもこそ有けめ、歌ともにいへることを、此歌にあはせみ るに、今だに見るが如くさかりの思はるゝ也○薫は借字にて、こゝは花の色 にたとへていへり